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意外と難しい?取引先を英語でどう表現するか

取引先という言葉は、規模を問わず、ビジネスで頻繁に使用されます。しかし、取引先を英語で表現するのは、なかなか難しいです。なぜなら、取引先の範囲は広く、文脈によって取引先が指すものが往々にして異なるためです。

取引先を英語で表現するには、まずその取引先が具体的に何を指しているのか把握する必要があります。

目次

幅広い「取引先」の意味

取引先を英訳する前に、まず日本語の取引先という言葉が包括する範囲を確認しておきましょう。

取引先の意味は、もちろん取引を行う相手です。しかし、広義には得意先(顧客)や委託先(仕入先、請負業者、販売代理店など)、事業運営のための役務提供元などを指すこともあり、要するに何かしらの取引(金銭の授受)さえあれば、すべて取引先ということができます。そして、英訳時にはこの意味の広さが問題になります。

厄介なことに、取引先は文脈によって指す内容が異なることが往々にあります。

例えば、「取引先に見積もり出して」という上司の指示があった場合、これは得意先(顧客)のみを指します。

また、「取引先に発注書を出して」といえば、仕入先や請負業者などを指すことになります。

取引先が意味する内容は文脈から判断せざるを得ないので、機械的に訳語をあてると、たいていおかしなことになります。

しかし、「取引先の納品書」といったように、得意先なのか委託先なのか何なのか、わからないケースもあります(得意先に対して発行する納品書なのか、委託先から受け取る納品書なのかわからない)。

ちなみに、この例のように「~の・・」という表現は抽象的で誤解を生みやすく、それは英語(xxx of ...)でも同じです。

つまり、取引先を英語にするときには、その取引先が何を指しているのか正確に理解するのが前提となります。

以下では、総称としての取引先と考えて複数形で表現していますが、特定の取引先を表すのであれば「the 単数形」で表現したりするので、ご注意ください。

参考:日本語の「~元」「~先」の違いは「混乱しやすい[~元/~先][~er/~ee]」をご覧ください。

広義の取引先を英語にすると・・

得意先(顧客)や委託先(仕入先、請負業者、販売代理店など)、その他金銭の授受を行うすべての取引先を英語で包括的に表現する場合は、business partners が最適です。

得意先だけ、あるいは仕入先だけであっても、business partners を使えなくもありませんが、それぞれ以下のように具体的に英訳した方が適切です。

得意先を指す取引先であれば・・

取引先が得意先(顧客)だけを指す場合には、customers が一般的です。

業界によっては、clients と呼ぶこともあります。

ちなみにbuyerという表現もありますが、これは契約書において買主を指すのによく用いられますので、あまり取引先の訳語としては適していないように思います。

委託先を指す取引先であれば・・

取引先が仕入先(供給者)だけを指す場合には、suppliersvendors を使うのが一般的です。

請負業者はcontractorsと英訳するのが一般的です。ゼネコン(general contractors)でお馴染みの表現ですね。なお、請負業者の下請けのことを subcontractors といいます。請負業者の立場からすると、subcontractorsも取引先ですね。subcontractorsはサプライチェーン視点の言葉です。

取引先が代理店(仲介業者)だけを指す場合には、agentsdealersdistributorsなどの表現がありますが、ひとつひとつ性質にあった単語をあてることになります。

いずれも、よりフラットなニュアンスを出したいなら、business associatesと表現する手もあります。

以上、取引先のような広い意味を持つ言葉を英語にする場合、辞書に載っている単語をそのまま当てはめるのは誤訳のもとです。言葉が使われているその文脈や背景から、その言葉が何を指しているのか理解することで、ようやく適切に英訳できます。逆にいえば、いい加減な日本語の文章(抽象的すぎるなど)からは、正確な訳を導くことができないともいえます。

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