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奨学金を返せないときの対処法

日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金を返せないときには、通常、減額返還か返還期限猶予の申請を行います。返せないからといって放置したり、督促を無視したりしたところで、返還義務が免除されることはなく、それどころか延滞金が発生したり、信用情報が傷ついて人生に大きな制約が生じたりするので要注意です。

奨学金を返せないときは救済制度を利用

JASSOでは、奨学生が奨学金を返還できなくなった場合に備えて救済制度を用意しています。すなわち、奨学金を返せない場合、奨学生は減額返還返還期限猶予を申請できます。

減額返還とは

JASSOの減額返還は、本来返還するべき金額を減らし、その分返済期間を長くする制度のことです。

返還期限猶予とは

JASSOの返還期限猶予は、返還を一定期間待ってもらえる制度です。待ってもらっているときには、返還の必要がなくなりますが、返還終了日が相応に延長されることになります。

共通点

減額返還にせよ、返還期限猶予にせよ、最終的に返還しなければならない金額は変わりません。また、どちらも一定の収入要件などがあり(基本的に返還余力があるなら救済制度の利用はできません)、審査に通って承認される必要があります。承認されるまでに、ある程度時間がかかるので、奨学金の返還が困難になりそうだったら、早めに見通しを立てて申請した方が望ましいです。

なお、現時点では、申請時にマイナンバーの提出が必要となっています。

減額返還願または返還期限猶予願の提出時には「返還困難な事情」と「返還見通し」を記入することになるので、参考に例文一覧を用意しました。

返還免除はよっぽどのことがないと利用できない

返せないのだから免除してくれないかと期待したくなりますが、今は従来ほど簡単に奨学金の返還免除は利用できません。

返還免除制度は、奨学生本人が死亡した、あるいは身体的・精神的な障害を負って働けなくなったと認められた場合に利用できるものです。特に後者に関しては、JASSOと事情を相談することになります。

その他、「返還特別免除制度」という教育職や研究職に就くことで返還が免除される制度ありますが、これは現時点ではすでに廃止されています。適用される人も、平成15年度以前に大学院第一種奨学生に採用された人か、平成9年度以前に大学や短大、高専の1年次に入学して第一種奨学生に採用された人かで、所定の要件を満たす必要もあります。

救済制度は時代に応じて変わる

上記の奨学金を返せなくなったときの救済制度は、通常時のものです。しかし、長い人生、災害や感染症など、何があるかわかりません。JASSOの救済制度は、情勢に応じて柔軟に変更されていますので、このような社会的苦境にあるような場合には、JASSOサイトの最新情報を確認したり、直接相談することをおすすめします。

返せないなら自主的に制度を活用する

公的機関がやっている奨学金だから返せなくても大丈夫というのは間違いです。ですが、公的機関だからこそ、救済措置がたくさん用意されているので、返還できない場合には制度を自主的に活用するなり、相談するなりしなければなりません。

特に大切なのは自主的に動くということです。JASSO側は、とにかく奨学生がしっかりと返還できるよう、かなり充足した救済制度を整えていますが、制度を活用するかどうかは最終的に自主的な判断となります。

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