百人一首 歌番号41
全文
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
現代仮名遣い
こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか
こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか
壬生忠見
百人一首 歌番号42
全文
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
現代仮名遣い
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは
清原元輔
百人一首 歌番号43
全文
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
現代仮名遣い
あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり
あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり
権中納言敦忠
百人一首 歌番号44
全文
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
現代仮名遣い
あうことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
あうことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
中納言朝忠
百人一首 歌番号45
全文
あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
現代仮名遣い
あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな
あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな
謙徳公
百人一首 歌番号46
全文
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな
現代仮名遣い
ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな
ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな
曾禰好忠
百人一首 歌番号47
全文
八重むぐら 茂れる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
八重むぐら 茂れる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
現代仮名遣い
やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
恵慶法師
百人一首 歌番号48
全文
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
現代仮名遣い
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな
源重之
百人一首 歌番号49
全文
みかき守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
みかき守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
現代仮名遣い
みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ
みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ
大中臣能宣朝臣
百人一首 歌番号50
全文
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
現代仮名遣い
きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな
きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな
藤原義孝
百人一首 歌番号51
全文
かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
現代仮名遣い
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを
藤原実方朝臣
百人一首 歌番号52
全文
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
現代仮名遣い
あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
百人一首 歌番号53
全文
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
現代仮名遣い
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
右大将道綱母
百人一首 歌番号54
全文
忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
現代仮名遣い
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな
儀同三司母
百人一首 歌番号55
全文
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
現代仮名遣い
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ
大納言公任
百人一首 歌番号56
全文
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
現代仮名遣い
あらざらん このよのほかの おもいいでに いまひとたびの おうこともがな
あらざらん このよのほかの おもいいでに いまひとたびの おうこともがな
和泉式部
百人一首 歌番号57
全文
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
現代仮名遣い
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな
紫式部
百人一首 歌番号58
全文
有馬山 ゐなの笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
有馬山 ゐなの笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
現代仮名遣い
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
大弐三位
百人一首 歌番号59
全文
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
現代仮名遣い
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
赤染衛門
百人一首 歌番号60
全文
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
現代仮名遣い
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて
小式部内侍