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合同会社 役員報酬と役員賞与の決定を書面に残すには

こんにちは!翻訳会社オフィスペンギンを経営するオフペンです。

ここでは、合同会社における役員報酬と役員賞与の支給について、疑問に思ったことを備忘録として記していきます。

特に、役員報酬と役員賞与が適切に経費、つまり税法上の損金として扱われるようにするためのちょっとした「お作法」に触れていきます。

役員報酬・役員賞与は経費になる

前提として、役員報酬も役員賞与も適切に処理すれば経費になるので、節税面で大いに役立ちます。というよりも、経費にして当然ぐらいの感覚が一般的かと思います。

一般的に、経費として処理するためには、役員報酬であれば定期同額給与として、役員賞与であれば事前確定届出給与として処理する必要があります。

定期同額給与とは、要するに同じ金額を毎月支給することです。

事前確定届出給与とは、あらかじめいつ誰にいくら支給するかを税務署に届け出て、そのとおり支給することで経費(損金)として扱うことができるものです。

このあたりの話題はググると山のように解説されているので、詳細は割愛しますが、その前段階のことについては、株式会社のケースばかりが解説されていて、合同会社のケースはあまり具体的な解説がありませんでした。

前段階とは、役員報酬または役員賞与を支給することを決定する決議や同意といったものです。

報酬や賞与の決定は書面に残す

合同会社において、決定した定期同額給与(役員報酬)について税務署に届け出る必要はありません。しかし、それは言い換えれば、税務署が後から確認する可能性があるので、税務署に対して証明する材料を用意しておかなければなりません。

そこで必要になるのが、役員報酬や役員賞与をいつ誰にいくら支給するのかといった詳細を記した議事録などです。

株主総会 ≒ 社員総会

株式会社であれば、株主総会で役員報酬や役員賞与を決議し、議事録として記録を残します。しかし、合同会社には、株主総会はないので、株主総会に相当する社員総会で決議し、議事録を作成するのが間違いなさそうです。

ただ、合同会社の場合、社員総会という機関の設置は任意です。つまり、社員総会の存在を定款に定めていないケースがあります。まさに、私の経営する合同会社でも、社員総会の設置を定めていませんでした。

定款に定めていない社員総会を開催するのも、ちょっとおかしいように思いました。それでは議事録はどうするのか・・これが悩みました。

同意書または決定書として残す

合同会社の場合、定款に別途定めがない限り、全社員の過半数をもって会社の重要事項を決定するかと思います。

ただ、私は経営する合同会社の定款に次のように定めていました。

(業務執行社員の報酬)

業務執行社員の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当会社から受ける財産上の利益は、総社員の同意をもって定める。

なので、要点としては、総社員が同意したことを書面で示すことができればOKなはずです。

そのため「同意書」の形で書面を作成し、役員報酬と役員賞与の詳細を記録しておきました。電子署名も技術的にはできましたが、制度的に認められるかわからないので、とりあえず記名後にプリントして捺印しておきました。

改めて調べてみると、要点さえおさえておけば、同意書ではなく「決定書」とすることもできそうです。

同意書は、役員報酬を定める株主総会議事録を参考に作成しました(ググるとたくさん出てきます)。

顧問税理士からも念押しされましたが、税務署とのやりとりでは記録を残すことが重要となります。記録がなければ、不利な扱いを受けてしまいます。役員報酬や役員賞与が経費として損金扱いされなければ、税負担で経営が逼迫されるので、文書化・書面化には特に注意を払おうと思いました。

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※本記事は税務上・実務上の正確性を保証するものではありませんのでご注意ください。

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