わかりやすい原子と元素の話

勉強すること

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■ 原子番号や質量数ってなに?

■ 同位体(アイソトープ)ってなに?

■ 放射能、放射線、放射性同位体、放射性物質の違い

■ 原子力(核エネルギー)の利用 原子力発電と核兵器

■ 元素記号一覧と各元素の詳細

■ 元素記号クイズに挑戦して元素を覚えよう!

原子力(核エネルギー)の利用 原子力発電と核兵器

原子力発電。膨大なエネルギーを安定して生み出しながらも、CO2を排出せず、さらには燃料を再利用できることから数多く導入され、日本だけではなく世界のエネルギーインフラを支えています。しかし、そのリスクの大きさや事故を起こしたときの生体や環境への有害性は、東電福島第一原発の事故から、もはや言わずもがなでしょうか。

ここでは、原発の賛否にかかわらず、人類が手を出した「原子力」が一体どういうものなのか、正視してみましょう。

原子力は、別名「核エネルギー」ともいいます。核エネルギー、核兵器、核燃料。核という言葉が一人歩きしているかもしれませんが、ここでの核とは原子核のことです。

原子力や核エネルギーとは、原子核が分裂したときに発生する熱エネルギーのことです。この分裂して異なる元素になることを核分裂といいます。放射性崩壊も核分裂も、原子核の変化ではありますが、放射性崩壊が他の元素に変化する一方で、核分裂は2つ以上の元素に分かれる違いがあります。ここでは触れませんが、原子核の変化には他にも核融合があります。

核分裂する原子は限られていて、ウラン235(235U)やプルトニウム239(239Pu)ぐらいです。

核分裂に伴う熱エネルギー、要するに核エネルギーは、想像を絶するものです。1gのウラン235の核分裂により生まれるエネルギーは、石炭3トン分、石油2000リットル分にも相当します。莫大なエネルギーを生み出す原子力が魅力的に映ってしまうのも頷けます。

原子力発電の仕組みは、まずウラン235に中性子をぶつけます。すると核分裂をして熱エネルギーを生み出すと同時に、そこからまた中性子が飛び出します。飛び出した中性子が他のウラン235にぶつかって核分裂を起こし、また中性子が飛び出し・・・・を繰り返す連鎖反応を起こします。

原子力発電では、燃料としてウラン235の投入割合は3~5%*に抑え、連鎖反応を制御しています。しかし、核兵器では、そんなことおかまいなしです。ウラン235をみっちりと投入するので、連鎖反応が速く、瞬間的に莫大な熱エネルギーを発生させます。

1945年に広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」に搭載されたウラン235には、およそ60kgほどにもなります(実際に核分裂を起こしたのは数%と言われています)。そして、長崎に投下された原子爆弾「ファットマン」には、およそ6kgのプルトニウム239が使われました。熱線、爆風、そして放射線。ご存知のとおり、原子力を使った兵器は、人類史上最悪の結末を迎えています。

すさまじいエネルギーを生む核エネルギーを目の前に、人類はまだ原子力を手放すような選択はできていません。これには、単に経済的な側面だけでなく、軍事的な、国防的な側面も複雑に絡まっているからでしょうか。

*電気事業連合会ウェブサイトより