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わかりやすい原子と元素の話

目次

■ 原子と元素ってなにが違うの?

■ 原子番号や質量数ってなに?

■ 同位体(アイソトープ)ってなに?

■ 放射能、放射線、放射性同位体、放射性物質の違い

■ 原子力(核エネルギー)の利用 原子力発電と核兵器

■ 元素記号一覧と各元素の詳細

■ 元素記号クイズに挑戦して元素を覚えよう!

原子と元素ってなにが違うの?

原子と元素の違いがわからず悩む人は少なくありません。その違いを理解するため、まずは根本となる原子から見ていきましょう。

原子は、化学を扱うときに考える一番小さな単位と考えておくとわかりやすいです。実際には、原子よりも小さな電子、原子核、陽子、中性子、素粒子・・と、細かな世界がさらに広がっていきますが、まずは原子が化学を考える上での基準になると割り切りましょう。

あらゆる物質は原子から構成されています。森羅万象、すべてのものは、分解していくと原子に行き着くのです。

では、原子を1つ取り出してみましょう。すると、原子の中心にはポツンと原子核があり、原子核の周りには電子がぐるぐる回っていました

次に、原子核にクローズアップしてみましょう。すると、原子核は陽子と中性子でできていることがわかりました(普通の水素は中性子を持ちません、以下「同位体」をご参照ください)。陽子は名前から察するとおり、正の電荷(プラス)を持ちます。一方、周りを回っている電子はというと、負の電荷(マイナス)を持ちます。どの原子であっても陽子の数=電子の数となっているので、原子は電気的に中性となります。なお、中性子はその名のとおり電荷を持ちません(プラスでもマイナスでもない)。

ヘリウム原子の構造 原子核(陽子/中性子)と電子

さて、あらゆる物質を分解していくと原子にたどりつきますが、それぞれ見つかった原子は陽子の数が違いました。[陽子の数=電子の数]なので、陽子の数が違うということは、電子の数も違うということです。

そこで、陽子の数が異なる原子は、性質も異なります。そこで、陽子の数が異なる原子を区別できるように、陽子の数ごとにわかりやすくラベルをつけてあげました。そのラベルこそ元素と呼ばれるものです。

つまり、陽子が1個の原子は「水素」という名前の元素に、陽子が2個の原子は「ヘリウム」という名前の元素にしました。今日、一般的に扱われる元素は118個あります。

そして、その118個の元素には、それぞれ対応する記号が決められています。水素ならH、ヘリウムならHeといった具合です。この記号のことを元素記号といいます。

原子番号や質量数ってなに?

誰しも、元素の周期表を1回は目にしたことがあるかと思います。周期表には、元素が原子番号の順に並んでいます。

では、原子番号とはなんでしょうか?原子番号は、原子に存在する陽子の数を指しています。[原子番号=その原子の陽子の数]です。[陽子の数=電子の数]でもありますので、原子番号は電子の数を指しているともいえます。

例えば、原子番号1番というのは、陽子が1つの原子を指します。陽子が1つの原子のラベル(元素)は「水素」です。原子番号2番は、陽子の数が2つの原子で、そのラベル(元素)はヘリウムです。

さて、今度は質量のお話です。原子には質量があります。そして、原子の質量は質量数に比例しています。質量数に比例するというのは、質量数が多ければ、質量も大きくなるということです。では、原子の質量数とはそもそもなんなのでしょうか。

質量数とは、原子核にある陽子の数と中性子の数を足した合計の値です。[質量数 = 陽子の数 + 中性子の数]です。原子は原子核(陽子と中性子)に加えて、電子からできているんだから、電子の数も含めるべきでは?と疑問に思うかもしれませんが、電子の質量は陽子・中性子に比べてきわめて小さく、質量数を考えるうえでは無視することになっています。また、陽子と中性子の質量はほとんど同じなので、一緒にして数えることになっています。なお、質量数に単位はありません。

質量数は、原子の質量を考える他、同じ元素であっても中性子の数が異なる同位体を区別するときにも大切な概念です。

原子番号と質量数は、元素記号と一緒に書き記すことがあり、元素記号の左下に原子番号を、元素記号の左上に質量数を書きます。言い換えると、左下には陽子の数、左上には陽子と中性子の数の合計を書きます。

例えば、原子番号6番炭素で中性子が6個のものは、次のように書きます。

原子番号6番炭素の中性子が6個の同位体の書き方

同位体(アイソトープ)ってなに?

同位体とは、同じ元素だけど(陽子の数が同じだけど)、中性子の数が違う物質どうしの関係のことです。英語では、アイソトープ(Isotope)といいます。

例えば、先ほどの炭素(C)でいえば、中性子6個の炭素と、中性子7個の炭素があり、それぞれの関係は同位体といいます。

中性子が6個の炭素 同位体

←同位体→
アイソトープ

中性子が7個の炭素 同位体

また、水素(H)には、中性子を持たない軽水素、中性子が1個ある重水素、中性子が2個ある三重水素(トリチウム)と、3種類の同位体があります。もちろん、軽水素、重水素、三重水素(トリチウム)の陽子の数は、どれも1個(原子番号1番)です。

なお、同位体に似た言葉として同素体があります。同位体か、同素体かで混乱することがあるようですが、これらはまったくの別物です。

同素体は、1つの元素でできているけど構造などが異なる物質どうしの関係を指します。例えば、酸素のO2とオゾンO3の関係は同素体です。炭素の同素体には、黒鉛やダイヤモンド、フラーレンなどがあります。じ元でてきているから、同素体と考えると覚えやすいですね。

さて、同位体の話に戻りましょう。同位体には原子核が「安定している同位体」「不安定な同位体」があります。

原子核が安定している同位体は「安定同位体」と呼びます。一方、原子核が不安定な同位体は「放射性同位体」と呼びます(放射性同位体は、英語でラジオアイソトープ(Radioisotope)といい、RIと略記されることがあります)。なぜなら、不安定な原子核は、安定した状態になろうとし、その過程で放射線を放出するためです。

また、不安定な原子核が安定した原子核になることを「放射性崩壊」といいます。放射線を出して、原子核が変化(崩壊)するということですね。

放射性崩壊は一瞬で終わるわけではありません。ある放射性同位体が、もとの量の半分まで放射性崩壊するまでにかかる時間を半減期といいます。原子力発電所の事故などでは、外部に放出された放射性物質の影響と半減期がよく報道されていました。

東電福島第一原発事故に伴い
環境中に放出された放射性物質の半減期

■トリチウム(3H):12.3年(10日)
■ストロンチウム90(90Sr):29年(50年)
■ヨウ素131(131I):8日(80日)
■セシウム134(134Cs):2.1年(70日~100日)
■セシウム137(137Cs):30年(70日~100日)
■プルトニウム239(239Pu):24000年(肝臓:20年)

※カッコ内の時間は生物学的半減期(呼吸や排せつ、汗などにより、体内の放射性物質が半減するのにかかる時間)です。参照先の環境省ウェブサイトでは、その他物理学的半減期と生物学的半減期の両方を加味した実効半減期のデータもあります。

出典:環境省データ

放射能、放射線、放射性同位体、放射性物質の違い

放射性同位体が放射性崩壊する(安定した状態に変化する)過程で発生する粒子や電磁波のことを放射線といいます。放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線などの種類があり、それぞれ異なる物質を通り抜ける力(透過力)があります。アルファ線は紙1枚で遮ることができますが、ベータ線を遮るには1cm程度のプラスチックないしは数mm程度のアルミ板、ガンマ線やエックス線を遮るには鉄や鉛が必要になります。例えば、三重水素(トリチウム、3H)は、放射性崩壊する過程でベータ線を出します。ちなみに、ベータ線を出して原子核が変化することをベータ崩壊といいます。

放射線を出す能力や性質のことを「放射能」といいます。被曝(被爆ではありません)することを「放射能を浴びる」と表現されることがありますが、放射能はあくまで能力や性質なので、これは「放射線を浴びる」と言い換えるべきでしょう。

放射性同位体は、放射能を持つ原子のこと。そして、放射性同位体を含む物質のことを「放射性物質」と表現します。

放射能、放射線、放射性同位体、放射性物質などなど、原子の成り立ちを確認し、同位体について理解すると、正しく用語を使えるようになると思います。

原子力(核エネルギー)の利用 原子力発電と核兵器

原子力発電。膨大なエネルギーを安定して生み出しながらも、CO2を排出せず、さらには燃料を再利用できることから数多く導入され、日本だけではなく世界のエネルギーインフラを支えています。しかし、そのリスクの大きさや事故を起こしたときの生体や環境への有害性は、東電福島第一原発の事故から、もはや言わずもがなでしょうか。

ここでは、原発の賛否にかかわらず、人類が手を出した「原子力」が一体どういうものなのか、正視してみましょう。

原子力は、別名「核エネルギー」ともいいます。核エネルギー、核兵器、核燃料。核という言葉が一人歩きしているかもしれませんが、ここでの核とは原子核のことです。

原子力や核エネルギーとは、原子核が分裂したときに発生する熱エネルギーのことです。この分裂して異なる元素になることを核分裂といいます。放射性崩壊も核分裂も、原子核の変化ではありますが、放射性崩壊が他の元素に変化する一方で、核分裂は2つ以上の元素に分かれる違いがあります。ここでは触れませんが、原子核の変化には他にも核融合があります。

核分裂する原子は限られていて、ウラン235(235U)やプルトニウム239(239Pu)ぐらいです。

核分裂に伴う熱エネルギー、要するに核エネルギーは、想像を絶するものです。1gのウラン235の核分裂により生まれるエネルギーは、石炭3トン分、石油2000リットル分にも相当します。莫大なエネルギーを生み出す原子力が魅力的に映ってしまうのも頷けます。

原子力発電の仕組みは、まずウラン235に中性子をぶつけます。すると核分裂をして熱エネルギーを生み出すと同時に、そこからまた中性子が飛び出します。飛び出した中性子が他のウラン235にぶつかって核分裂を起こし、また中性子が飛び出し・・・・を繰り返す連鎖反応を起こします。

原子力発電では、燃料としてウラン235の投入割合は3~5%*に抑え、連鎖反応を制御しています。しかし、核兵器では、そんなことおかまいなしです。ウラン235をみっちりと投入するので、連鎖反応が速く、瞬間的に莫大な熱エネルギーを発生させます。

1945年に広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」に搭載されたウラン235には、およそ60kgほどにもなります(実際に核分裂を起こしたのは数%と言われています)。そして、長崎に投下された原子爆弾「ファットマン」には、およそ6kgのプルトニウム239が使われました。熱線、爆風、そして放射線。ご存知のとおり、原子力を使った兵器は、人類史上最悪の結末を迎えています。

すさまじいエネルギーを生む核エネルギーを目の前に、人類はまだ原子力を手放すような選択はできていません。これには、単に経済的な側面だけでなく、軍事的な、国防的な側面も複雑に絡まっているからでしょうか。

*電気事業連合会ウェブサイトより

元素記号一覧(元素の周期表)

通常の元素の周期表には118個の元素が組み込まれ、次のよう配置されています。周期表内の数字は原子番号、アルファベットは元素記号です。周期表の縦の列を族(第1族~第18族)、横の行を周期(第1周期~第7周期)と呼び、元素が特性や性質ごとに配置されています。

下の周期表の各元素をクリックすると、その元素の詳細が確認できます。元素をひと通り覚えたら、元素記号クイズにもぜひ挑戦してみてください。

1
H
2
He
3
Li
4
Be
10
Ne
9
F
8
O
7
N
6
C
5
B
11
Na
12
Mg
18
Ar
17
Cl
16
S
15
P
14
Si
13
Al
19
K
20
Ca
21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
37
Rb
38
Sr
39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
55
Cs
56
Ba
57-71↓
72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
87
Fr
88
Ra
89-103↓
104
Rf
105
Db
106
Sg
107
Bh
108
Hs
109
Mt
110
Ds
111
Rg
112
Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
57-71:
57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
71
Lu
89-103:
89
Ac
90
Th
91
Pa
92
U
93
Np
94
Pu
95
Am
96
Cm
97
Bk
98
Cf
99
Es
100
Fm
101
Md
102
No
103
Lr